感想

TRPGやゲーム等のネタバレ感想のまとめ

No.466

#SS

これはインドのとある村での話です。
その村は毛髪の美しい人間が多く住んでいる村でしてね、どうもそれは池の水のおかげらしいのですよ。
なんでも池に含まれている成分がいいとか。僕にはわかりませんがね。
ロンドンの某という会社が淑女向けの香水にそれを利用しているそうで。
……ああ、今回の話には関係ありませんね。失礼しました。

さて、その村では昔からとある変死が起きやすい村でした。
突然、村に住む人間が村の近くにある崖から飛び降り自殺をするというのです。
彼らに自殺する理由などありません。彼らなりに幸せな人生を送り、つい先刻まで知人と笑って話していたのですから。
奇妙な自殺を遂げようとする人間には、共通点などありません。
奇妙な自殺を遂げた死体には、とある共通点があったそうで。
体内には骨以外残っていなかったそうですよ。脳みそなんかも残っていません。
なくなった内臓の代わりとでもいうように、おぞましく吐き気のするような玉虫色の羽がビッシリと詰められておりました。

この話を聞いて興味を持ったロンドンの医者たちが、この村に向かい、精神に異常をきたす、まだ知られていない土着病ではないかと調べ始めました。
そこで偶然か、幸運か、崖から飛び降りる寸前の人間を生け捕りにしました。
そしてその人間を体を切り開いてみるとですね。
腐乱死体にわく蛆虫のように、無数の小さい粘着状の何かが蠢いていたそうです。
頭から足の先まで、蠢く何か。しかもそれに気味の悪い玉虫色の羽を持っていたようで。
腹を切り開いてしばらくすると何かは死に、切り開かれた人間も死にました。内臓がありませんからね、そりゃあね。

さらに調査を続けたところ、面白いことが判明しました。
この村の飲水となっている池に、この地独特の粘着状の生き物が住み着いていたようなのです。
それは人間に寄生し、内臓を食い尽くし、成虫になったところで寄生した人間を殺し羽化をする。
そんな生態の生物なのだそうです。
本来ならば池を消毒なりなんなりすべきなのでしょうけども。
どうせ死ぬのは土着民ですし、研究者たちがその生物を調べるために放置してるんですって。

……ああ、そういえば最初に言った香水なのですが、より効果を得るために、髪に吹きかけるだけでなく飲む女性もいらっしゃるそうですよ。
そしてこれは余談ですが、最近ロンドンの近くで飛び降り自殺が多発しているようです」
皆さんの恋人が、友人が、娘が、妻が、この香水を使っていないことを心からお祈りしております。


【お題】
無数の・アメーバ・翼
【参考にしたもの】
フォーラーネグレリア(人間の脳に侵入する殺人アメーバ)
ロイコクロリディウム(カタツムリに寄生する寄生虫で、寄生虫に操られたカタツムリは鳥に食べられるような行動をとる)

1174文字,

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