感想
TRPGやゲーム等のネタバレ感想のまとめ
- 遺骸を雪ぐセクエンツィア(371)
- 懇請に告ぐトロープス(65)
- 刃魔正忍記(34)
- LUNATIC_THEATER(30)
- ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(29)
- 大穢(26)
- KINGS(19)
- FE風花雪月(18)
- 蛍子のために(16)
- 暗愚を裂いたグラドゥアーレ(15)
- 虫を喰わせと蟲が哭く(15)
- 夜明けの嘘とそらゆめの輪舞曲(12)
- 奈落(12)
- Fate/Samurai_Remnant(12)
- 予言は誰を王にする?(11)
- エンダーマグノリア(10)
- ホグワーツ・レガシー(9)
- SS(9)
- 星の爆ぜる日(9)
- そして誰がいなくなるのか?(7)
- ゴルゴン英雄譚(6)
- ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(6)
- FGO(6)
- 楽園(シノビガミ)(5)
- 逆境!廃部クライシス(5)
- バディミッション_BOND(5)
- 魔剣大好き魔剣祭り(5)
- 烏有館事件(5)
- 楽園(インセイン)(5)
- 回生を叫ぶコンムニオ(4)
- パラノマサイト(4)
- 零れ落ちた歯車(4)
- 大逆転裁判(4)
- 紅蝋館の殺人(3)
- 崩壊スターレイル(3)
- 文学戦線(3)
- ENDER_LILIES(3)
- その音を塚に埋めるまで(3)
- 夜の会、沼の怪(3)
- シノビガミ(3)
- マルオシに手を出すな(3)
- 落花流水譚(3)
- もののけ道中(3)
- 銀剣のステラナイツ(3)
- あなたに会いたくて(2)
- 天狗乃ち天乙を喰らう事(2)
- 同居人(2)
- 劇場版モノノ怪唐傘(2)
- ホテル氷鳴館へようこそ(2)
- モノノ怪(2)
- ロードムービー無印(2)
- 聖女の供血(2)
- 明けの夢、宵の約束(2)
- ジャンクヤードベイビー(2)
- 名探偵の殺し方(2)
- カフカ〜今宵、咲き誇る〜(2)
- 掃き溜めの天使たち(2)
- ぽこあポケモン(1)
- パラノマサイト伊勢人魚物語(1)
- 趣味丸出しメーカー(1)
- Picrew(1)
- くちなしの瞳語りて(1)
- 大正グロテスキズム(1)
- Silver Blaze(1)
- 友の顎が鋭利になっていく(1)
- 咎人よ蜘蛛と踊れ(1)
- ロードムービー改(1)
- 闇夜に烏_雪に白鷺(1)
- インフィニティブロッコリー(1)
- LEGENDS_アルセウス(1)
- 正義の狗(1)
- いと高く、祝福されし聖なる火(1)
- World_End_Juvenile(1)
- 俺は絶対にBLに屈したりしない!!(1)
- 復讐するは我にあり(1)
- 血まみれ鬼の歌(1)
- ようこそ!虚無ちゃん(1)
- 血が満ちるとき(1)
- 出口なし2(1)
- 出口なし(1)
- 名探偵は二度死ぬ(1)
- モロク館の夜(1)
- 花街哀歌(1)
- ぼくらのお菓子の家はどこ?(1)
- 蛙は踊る(1)
- 咎人に花束を(1)
- 秋空に雪舞えば(1)
- 白雪姫ノ眠リ病(1)
- バッカーノ!(1)
- ヴィラ・アネッロ(1)
- BadCompany(1)
- ムラサキカガミ(1)
- 面影(1)
- フランケンシュタインの花嫁(1)
- 屍者の帝国(1)
No.59
1806文字, 2022.01.10 22:24 TRPG
- ユーザ「唐揚げ」の投稿だけを見る (※時系列順で見る)
- この投稿と同じカテゴリに属する投稿:
- この投稿日時に関連する投稿:
- この投稿に隣接する前後3件ずつをまとめて見る
- この投稿を再編集または削除する
Powered by てがろぐ Ver 4.7.0.
懇請に告ぐトロープス後日談、
あるいは遺骸を雪ぐセクエンツィアの前日談。
部屋の中で一人きり。今日は部屋から出る気になれなくて、ただ天井を眺めていた。
「……ア、アミ、クス、こ来ない……かなぁ」
一人でそんなことを呟く。前に彼が来てくれたのはいつだっただろう。そろそろ父上の使者達が来る頃だから、それより前か喋れるようになった時に来て欲しいな。相槌だけしゃなくて、僕も彼と話したいから。
そんなことをぼんやりと考えていると、ドアからノックの音が聞こえた。……もう使者達が来たのかな。
「カーティ、俺だよ」
違う。僕のことをそう呼ぶのは一人しかいない。急いでベッドから立ち上がってドアへ駆け寄る。
「ア、……ア、アミ、クス!」
「久しぶり。最近寒くなってきたけれど、風邪はひかなかった?」
僕は彼の言葉に何度も首を縦に振る。いつもの優しい笑顔と、優しい声……だけど、いつもより嬉しそうに見えた。良いことがあったの、と聞けば、とびきりね、と返される。けど、内緒なのか詳しいことは聞かせてくれない。ずるい、僕も彼の良いこと聞きたいのに。
拗ねた顔をしていたのか、宥めるように頭を撫でられる。
「今は内緒。でも、将来必ずカーティにもわかる日が来るよ」
「……うん」
頷いてから返事をする。将来なんて縁の遠い言葉だな、なんて思いながら。
農村でのどかに暮らす人々の様子、赤色や黄色に色づく森の木々、堅牢な門の遺跡、旅の間に見たものをアミクスは僕に話して聞かせてくれた。僕には一生関係ない世界を彼は言葉で見せてくれる。彼が話してくれる外の世界はなんて綺麗な場所なんだろう、といつも思うのだ。
「農村では、……ふふ」
「……? ど、どう、どうした、んです、か……?」
「ごめん、なんでもないよ」
話の途中で僕の顔を見て笑ったように見えた。……僕、なにかおかしなことを言ったのかな。なんだか恥ずかしい。
「そういえば、カーティはお祈りのやり方は知っているかい?」
彼からの突然の質問に僕は首を横に振った。お祈りは神様に何かをお願いすることだと、以前にアミクスが教えてくれたのを覚えている。
僕が首を横に振ったのを見ると、こうするんだよと見せてくれた。真似して同じように手を組んでみる。手を組んでからお願い事をするのだという。
「ぼ僕……、おお祈り、しても、……プリム=マ、ガもマーテル様、も、か叶えて、くれな、いと思い、ます」
だって、僕は呪われているから。プリム=マガにもマーテル様にも嫌われているから、こんな忌まわしい体なのだから。
俯く僕に、アミクスは優しく背中を撫でる。
「辛いことや痛いことがあったら、お祈りしてごらん。お祈りする神様は誰でもいいんだ。カーティが信じられるものなら、なんでも」
「だ、誰で、も……?」
「うん。カーティはいい子だから神様は必ず助けてくれるよ」
その声色が、表情が、とても真剣で、言い聞かせるようで。僕はただ首を縦に振った。それを見た彼は安心したように笑ったので、僕もつられて笑ってしまった。
アミクスが帰った後、入れ違う形で父上の使者達がやってきた。僕の舌を切り落とすと彼らも王都へ帰っていった。
運が悪いことに、その日はちょうど雨が降る夜だった。出血は止まっていてもジクジクと痛む口内が、雨の日はさらに酷くなる。今夜はきっと眠れないだろう。
少しでも気を紛らわせようとアミクスの話を思い出す。海の話に竜の話、森の話や……お祈りの話。
辛いことや痛いことがあればお祈りするといい、と彼は言っていた。信じられるものなら誰でもいいのだと。教えられた通りに手を組んでみる。
神様、僕のお祈りを聞いてくれるのなら、この痛みを少しでも軽くしてください、と心の中でお祈りをする。
「!?」
驚きで思わず声をあげた。ジクジクとした痛みが、なくなっている。いつもなら一晩中痛んでどうにもならないものが。
アミクスの言う通り、神様が僕のお祈りを聞いてくれたんだ。僕も、神様にお祈りしていいんだ。
それがとても嬉しくて嬉しくて。次に彼が来た時に必ず話そうと思った。アミクスの言う通りだったよ、と。
だから、貴方が風邪を引かずに怪我もせずにまたここに来てくれますように、と毎日祈って待っているよ。僕が一番お祈りしたいのは、貴方のことだから。畳む