感想

TRPGやゲーム等のネタバレ感想のまとめ

No.115

#遺骸を雪ぐセクエンツィア #SS
ボツになったED案

コル兄上へ

 この手紙を兄上が読んでいるのならば、棺の中に入れた手紙はきちんとあなたがいらっしゃる天国へ届いたのでしょう。
兄上と別れた後、本当に色々なことがありました。誇張ではなく、僕の人生を変えてしまうような出来事が、まるで嵐のように。
あなたに話したいことが山程あるのです。
だから、手紙を送ることにしました。直接お話しできるのは、きっとしばらく先になってしまうだろうから。

 僕は兄上とお会いできて幸せでした。

 城から出るまでこの世で僕に親切にしてくれるのはあなただけだと、そう信じ込んで生きていました。
人の輪に入ることはないのだと思っていましたし、また呪われている僕は人に近づかない方がいいのだとも考えていましたから。
しかし、そうではありませんでした。
ろくに話せない僕に気を遣ってか、馬車で初めて出会った方が甘い食べ物を分けてくれました。(アルバスさんに聞いたところ、あれは飴というものだそうです。)
腕を無理やり掴まれた僕を、アルバスさんは助けてくれました。
ぶつかってきた上に不躾な質問をする僕に、ニルさんはご自分の立場や意見を誠実に答えてくれました。
1人で夜の王都を歩いていた時も母上の最期の時も、レオンさんは気遣ってくれて、でも無闇に踏み込まずにいてくれました。
兄上が話してくれた世界は、見せようとしてくれた世界は、恐ろしいことももちろんあるけれど、でも、とても暖かな場所でした。

 今後のことなのですが、兄上達の葬儀が終わったら王都を出ようと考えています。
理由はいくつかあるのですが、一番はコル兄上の使命を代わりに果たしたいからです。
ごめんなさい。兄上の部屋にあった手記を勝手に読みました。それも複数人で読みました。本当にごめんなさい。
僕はあなたの一番気に入っていた景色を見つけたいのです。
あなたが瞳に映した世界を、僕も見たいのです。
……とは言っても1人旅は自信がないので、旅についてきてもらえないか頼んでみるつもりです。

母上とレガトゥス兄上、それと父上によろしくお伝えください。
またお会いしましょう。

イマレ=カーティオより畳む

922文字, TRPG

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